トムハンクス×スピルバーグの最強タッグ『ターミナル』
こんにちは、たろうです。
毎回、名乗るものなのでしょうか。
前回の記事を書いてみて思ったことが、
感想がこれから映画を見る人向けになっていない!
ということです..。
どちらかというと、同じ映画を見たよ~って人に対して、こんな見方もあるよ~という提案に近い形になっている気がします。それならそれで行きます(笑)
ということで、今回紹介したいのが『ターミナル』です。
小さいころから何十回とみている大好きな映画の一つです。
まだ、初見の映画をレビューする自信がないだけですが(笑)
脚本:サーシャ・カヴァシ、ジェフ・ナサンソン
出演:トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、スタンリー・トゥッチ
あらすじ
ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港で奇妙な缶詰をもったビクター・ナボルスキーは足止めされていました。その理由は彼のフライト中に母国であるクラコウジアがクーデターによって事実上消滅し、母国を失った彼のパスポートも無効となってしまったからです。そんな中、英語を話せないビクターは状況を完全に理解できないまま、クラコウジアに帰国することも、アメリカ合衆国に入国することもできず、空港内での生活を強いられます。窮屈な生活の中、ビクターは一人の女性に出会うこととなります。客室乗務員を務めている関係で空港を何度も利用するアメリア・ウォーレンです。アメリアには年上の恋人がいるにも関わらず、次第に彼女にひかれていくビクター。そんなビクターが空港内で生活をしているとも知らないアメリアはある日、ビクターと食事に行き、2人は意気投合します。その後、フライトから戻ってきた彼女にビクターはあるプレゼントを用意しますが、彼女はビクターの空港生活を知り彼を問い詰めることに。大事に抱える缶詰に詰められた彼がニューヨークに来た本当の目的とは何なのか。アメリアとの恋の行方やビクターの空港生活の結末はぜひ映画を見て確かめてください。
感想(ネタばれあり)
まず初めに、この映画は僕の大大大好きなトム・ハンクス×スティーヴン・スピルバーグ作品です。他にもこの2人の作品には、序盤から大迫力の戦争映画プライベートライアンやディカプリオ演じる詐欺師をトムハンクス演じる刑事が追うキャッチミーイフユーキャンなどどれも名作です。
このブログでも後々紹介することにはなると思います。続いていればの話ですが..。
そして、今回のターミナル、実は事実に基づいた話なのです。
さて、今回も例によってこの映画のポイントを下にまとめてみました。
- かなわない相手への恋模様
- 登場人物の背景が濃く、ビクターを中心に全員の人生が動き出す構成
まず、一つ目の恋模様についてはあらすじでも書いた通り、空港生活を送るビクターが花のCAであるアメリアに思いをよせるストーリーです(ざっくり)。しかし、アメリアには年上の恋人が...そしてその年上の恋人には奥さんと子供が...という、どこまでもどうしようもない三角関係になっています。アメリア自身も自分が救いようもない人間だと自覚していて、ビクターに以下のように話すシーンもあります。
I'm sick. I don't have the ability to be alone for five seconds.
(私病気なの、たった5秒だって一人で生きていくことはできないの)
出典:Terminal (2004)
しかし、ビクターは彼女と食事に行く約束をし、アメリアも今まで関わってこなかったタイプの人間であるビクターに次第にひかれていきます。そんなある日、国境警備局のディクソンからビクターが空港生活をしていることを聞いたアメリアはなぜビクターなんかに惚れたのか聞かれると
That's something a guy like you never understand.
(あなたのような人には、一生理解できないわ)
出典:Terminal (2004)
と答えます。
しかし、ここまで気持ちを認めていながらもアメリアが最後に選んだのは妻子持ちの年上の彼。結局ビクターの気持ちは届かずじまいになってしまいます。
これは、次の項で話すことに繋がってもくるとも思うのですが、空港内でも希望を捨てずに懸命に生きるビクターは関わる人すべての止まっていた時間を動かすこととなります。しかし、たったひとり、アメリアだけは不倫をしている年上の彼の元に戻る形となっています。このコントラストこそがラストを切なくさせる大きなポイントの一つだと思います。アメリアは、ビクターが母国に後ろめたくなく帰ることができるようにあえて気持ちを伝えない選択をしたのではないかと僕は考えています。これにより、ビクターは最後タクシー運転手に行き先を聞かれた際に心の残りなく、以下のように家に帰ると答えることができたのでないでしょうか。これが映画最後のセリフなのがまた素敵ですよね...
I am going home.(僕は家に帰るよ。)
出典:Terminal (2004)
次に、大切なのが登場事物の背景です。作中には空港清掃員のグプタや機内食サービスのエンリケなどビクターの空港生活に大きな影響を与える人物が存在するわけですが、彼ら自身、空港の実質上のボスでもあるディクソンに弱みを握られた状態にあります。これにより、波風立てない隠れたような生活を送っていた彼らの前に、ある日突然現れた空港で24時間生活するなぞの男ビクター。そんなビクターの希望を捨てない姿勢は彼らの奥にあった後ろめたさや後悔を引き出したのではないかと思います。
数年前に、脅されたひょうしに警官を刺しアメリカに逃亡してきたグプタは、自分の犯した罪と向き合う決断を。
入国審査の受付ドロレスに恋するエンリケはビクターを通じてアプローチすることに。
こうしてビクターが周りの人にも影響を与えていく様子がゆっくりと描かれていてまったく飽きさせない内容であるように感じます。
最後に、やっぱり冬のニューヨークっていいよな。
ではなく、重すぎないわりにしっかりと入り浸れるそんな素敵な映画です。寒くなってきたときにはぜひ一度見てみてください。